押さえておきたいサブリースの仕組み

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(写真=PIXTA)

 「30年一括借り上げ」「家賃保証」などのうたい文句で、サブリースをアピールする不動産会社が増えています。オーナーにとって煩わしい賃貸管理の雑務から居住者のクレーム処理まで、すべてお任せの安心感を強調します。しかしメリットだけでなく、便利なだけにリスクを伴うことやオーナーの注意すべき点も押さえておきましょう。

家賃保証のメリットをうたう「サブリース」とは

 オーナーが中古マンションを購入し、それを賃貸に出した時、物件を管理する不動産会社などが入居者と結ぶ賃貸借契約を「サブリース」といいます。サラリーマン大家で時間がないというオーナーなどに広まり、最近ではマンションやアパートを一棟まるごと借り上げる形のサブリースが増え、相続税対策で「アパート経営をやりたい」「物件を譲り受けたけど賃貸経営が分からない」といったオーナーからも人気です。

 オーナーがサブリースを選択する最大のメリットは、「毎月の家賃が保証」されることです。入居者がいなくても管理会社から賃料を受け取れるので「空室リスク」を下げることができます。家賃の回収や督促、クレーム対応など入居者対応、広告活動、居住希望者への内見対応、建物のメンテナンス、そしてオーナーへの報告、連絡……管理に関わるすべてを任せられます。

 家賃保証は、具体的には毎月の家賃(保証額)をサブリース会社がオーナーの口座に振り込む仕組みです。契約により異なりますが、一般的に満室時の収入に対して70〜90%程度が保証されます。ただ満室時でもこの契約条件は変わりません。

 家賃保証がある代わりに、敷金・礼金・更新料など通常オーナーの収入となるものは、サブリース会社の収入になります。新築物件をサブリースする場合、物件完成後3ヵ月は、入居者募集の期間として免責期間を設けているため、家賃保証が発生しません。つまりこの間はオーナーにとって収入がありません。入居者が退去したときも、1ヵ月の再免責期間を設ける会社もあります。

空室リスクは存在する

 都心を中心に人口の転入増などが見られマンション市場も過熱気味ですが、人気エリアを外れると空室リスクも高くなります。家賃保証があっても、退去が多くなるとこの再免責期間の収入減や敷金などが入らないこともあり、オーナーの家計に響いてきますので注意が必要です。

定期的な家賃の見直しに注意

 サブリースのトラブルの原因として多く指摘されるのは、「家賃の見直し」が定期的に行われることです。空室が長く続くと値下げすることがあり、これはサブリース会社側の裁量で実施できます。

 オーナーに決定権はありませんので、オーナー側が不満を言っても、契約を見ると、「オーナーが家賃の見直しに応じなければ、サブリース会社側はいつでも契約を解除できる」という条項が付いているケースがほとんどです。また、契約を解除しても家賃の6ヵ月分程度の違約金を取られます。

 こうした認識不足が後々トラブルを招かないよう、契約前には次のようなポイントをしっかり見直しましょう。

1. 家賃の見直し条件
2. 新築時の免責期間
3. 管理会社やメンテナンスの条件

 1や2については、契約条件をしっかり認識しましょう。見落としがちなのが3の管理の内容です。物件の専用部、共用部はどの程度チェックし、巡回するのか、連絡はどうなのかなど、細かいところまでチェックしましょう。トラブル時の連絡体制の確認も重要です。マンションなどの資産価値は、こうした管理の質によって変わってきます。

 また、原状回復や設備の不具合時の費用負担についても確認する必要があります。すべてサブリース会社が負担するとは限らず、オーナーにとって思わぬ負担となる場合もあります。リスク対策は、事前の準備にすべてかかっていると言えます。これさえしっかりしておけば、いざという時も慌てる必要はないでしょう。

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