近年話題のシェアハウス、やはり立地が命?

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(写真=oneinchpunch/Shutterstock.com)

近年話題の不動産投資形態に、シェアハウスがあります。成功するシェアハウスの条件は「立地」や「家賃」だけなのでしょうか?シェアハウス市場は2011年の東日本大震災以降、社会の「絆」が重要視される中で伸長してきており、賃貸物件の新たな価値提案を可能とする存在としても注目されています。

そもそもシェアハウスとは?

シェアハウスについては、法律上で定められた定義はありません。個々の賃借人が賃貸人との間で賃貸借契約を締結し、ベッドルームなどを個室として利用します。また、キッチン、リビング、風呂、トイレなどの共有スペースを他の賃借人とシェアする住宅が、主に「シェアハウス」と呼ばれているのです。

三井住友トラスト基礎研究所によると、2018年2月時点で全国のシェアハウスは2,873物件に2万9,877部屋です。その多くは、東京23区など都市部に集中しています。これは、都心部での家賃が高いことから、多少生活スペースは狭くとも6~7万円で交通に便利なエリアに住むことができるシェアハウスに費用面での優位性があるためと考えられます。シェアハウスの入居者の多くは、収入に限りのある学生や外国人留学生、若手の社会人などが多い傾向です。

シェアハウスに好まれる立地

「成功する不動産投資は立地で決まる」といわれることがあります。これは、立地の良い物件は多少築古でも入居者が集まりやすく、資産価値が下がらないので流動性が高いためです。シェアハウスも同様に、立地がよい物件ほど人を集めやすい傾向です。2018年1月に女性向けのシェアハウス「かぼちゃの馬車」運用していた株式会社スマートデイズが破綻し、出資していた多くのオーナーが損害を受けるという事件がありました。

この事件では、破綻した物件の多くが利便性の悪いエリアに建てられており、十分な入居者が確保できなかったということが一因にあるようです。先述した三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、シェアハウス物件が突出して多いのは東武伊勢崎線の竹ノ塚駅(足立区)となっています。北千住から日比谷線に直結し、上野や銀座、新橋といったオフィス・商業エリアに1本でアクセスできる利便性が評価されているのでしょう。

2位は京浜急行本線の雑色駅、3位は西武池袋線の富士見台駅です。区別に見ると、足立区に続いて、世田谷区、練馬区、板橋区、杉並区、大田区などがシェアハウスの多いエリアになります。上野や池袋、新宿といったターミナル駅に15分前後でアクセスできる地域です。物価がそれほど高くなく生活に便利なローカル駅周辺が、シェアハウスの立地として好まれることがうかがえます。

「絆」や「つながり」を意識したシェアハウスも

ただ、2010年代以降は、家賃や立地に加えて「コミュニケーション」に重きを置いたシェアハウスに人気が集まる傾向です。中には「アウトドア好き」「料理好き」など趣味の仲間を集った物件や、「シングルマザー」など特定のバックグラウンドを持つ人々が同居し、共同体として生活するシェアハウスもあります。

また、港区や渋谷区など高級住宅地のシェアハウスでは、賃料が10万円以上の物件もあります。これは、家賃の節約ではなく別の価値観に重きを置き、シェアハウスに暮らす人々がいるという証拠ではないでしょうか。こうした特定の層向けのシェアハウスが増加する背景には、東日本大震災を契機に、人々が社会の「絆」や人と人の「つながり」を求める傾向が強まったことがあると考えられます。

「他人と暮らす」ことで得られるメリット

日本国内の人口が減少する中で、空き家が増えるといわれています。シェアハウスは新たな賃貸形態として、増加する空き家対策の一助を担う可能性は高いでしょう。不動産投資の基本としてシェアハウスも立地や家賃が第一条件であることは否めません。しかし、それ以上に「他人と暮らす」ことで得られるメリットを打ち出せる物件であることも、人気物件の秘訣になりそうです。

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