空き部屋対策に有効?人気の民泊って大丈夫?

(写真=PIXTA)

交通機関や宿泊施設の環境が整っていなかった時代に、一般の民家の善意により宿泊場所や食事などが無償で提供されていました。これが民泊の始まりといわれています。現代では交通機関や宿泊施設の環境が整ったことによって民泊が行われることはほとんどありませんでした。

しかし、近年では不動産の運用手段として民泊が注目されるようになってきました。なぜ、民泊が注目されるようになったのでしょうか。民泊と不動産による資産運用との関係、そのメリットとデメリットについて見ていきます。

民泊は外国人観光客のニーズにピッタリ

民泊は無償で宿泊場所の提供を行うものでしたが、近年では有償で個人の所有する不動産を提供するようになりました。なぜこのようなことが起きるようになったのでしょうか。

日本人が旅行する場合、旅行先のホテルの安全性や清潔さなどを重要視する傾向がありますが、外国人が旅行する場合、旅行先のホテルよりも旅行先で何をするかということに重きを置く傾向があります。そのため、ホテルをそこまで重要視していません。海外ではモーテルやホステルなどを利用して利便性や価格を優先する人が多くなっています。

そうした宿泊者のニーズに対してAirbnbというアメリカの企業が自身の所有する不動産を旅行者に貸し出すというビジネスの仲介を始めました。今では世界191ヵ国で民泊ビジネスを展開するようになっています。また、日本法人が設立されたことをきっかけに日本でも民泊に対する認知度が上がり、宿泊施設の登録者が増えています。しかし、そこには日本独自の問題がありました。

旅館業法による民泊の規制

従来の民泊の概念は無償で宿泊場所や食事の提供を行うものであり、有償で行うものではありません。日本では宿泊者に対して有償で宿泊場所を提供する場合には「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」とみなされ旅館業に該当します。そのため、旅館業の許可が必要となります。

旅館業法における「営業」という言葉の解釈が難しく、宿泊料をもらって仲の良い友人などを泊めるような場合でも適用されるのかという部分が争点になりました。厚生労働省では、広く宿泊者の募集を行い、繰り返し人を宿泊させる状態を「営業」と解釈しているため、不特定多数に対して反復継続して宿泊料を徴収する民泊は旅館業(簡易宿所)に該当するという認識を示しました。

しかし、このままでは明確な違いが存在しないため、2018年6月15日から「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行されることになりました。民泊新法では主に以下のような内容を規定しています。

・宿泊施設が住宅に限定
旅館業法(簡易宿所)に該当する民泊の場合は、宿泊施設の対象がホテルや旅館等である必要がありましたが、民泊新法では住宅と規定されています。

・営業日数の制限
営業日数は年間180日を超えない範囲という営業日数の制限が付け加えられました。

不動産の資産運用として民泊事業を行うメリット

民泊事業を行うメリットは以下の通りです。

・宿泊施設が不足する場所での需要に期待
宿泊施設の不足しやすい観光地周辺では、民泊需要が期待されます。また、農業体験やさまざまな日本文化に触れるオプションを加えるなど、ホテルや旅館が提供できないサービスを提供することでさらなる需要の高まりが期待できるでしょう。

・不動産の資産運用の課題である空き部屋対策に最適
不動産の資産運用を行ううえで最も苦労するのが空き部屋対策です。特に、一戸建て住宅の資産運用を行う場合には入居者がいないと固定資産税の負担だけが重くのしかかってしまいます。しかし、民泊として不動産の資産運用を行うことによって空き期間の家賃収入を補うことにつながります。

不動産の資産運用として民泊事業を行うデメリット

民泊事業を行うデメリットは以下の通りです。

・民泊新法によって義務が明確化された
民泊新法によって、宿泊者の衛生面・安全面・快適性・利便性の確保などさまざまな義務が明確化されるようになりました。諸外国では民泊が犯罪に利用されるなどの危険性があったため、日本では名簿の設置や生活環境の違いによる近隣住民への配慮なども加えられ、運営者の負担が増えることになりました。

・営業日数制限の影響
180日の制限がどのような影響を与えるのかはまだ明確になっていませんが、旅館業の営業日数に制限がないことを考えると、制限によって思ったように不動産の資産運用を行うことができない可能性もあります。

まとめ

宿泊施設や訪日観光客のニーズに応える方法として、民泊の需要は2020年の東京オリンピックに向けて益々高まりをみせることが予想されます。しかし、民泊で不動産の資産運用を行うためにはそのメリットとデメリットをしっかりと把握し、発生するリスクの対策を事前に講じておくことが重要です。安易に需要があると見越して参入すると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。詳細な検討が必要です。

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